【書評】国家の品格/仕事ができないと悩んでいる社会人は必読!

書評

「自分には能力がない」と悩んでいるサラリーマンは多いのではないでしょうか?

部下
部下

このプロジェクト、僕には荷が重いです・・・。頭いい人ばっかりで、ついていけないと思います・・・。

さらりまん
さらりまん

君の気持ちは良くわかる。私も昔、同じような想いを抱えた事があるんだ

こんな悩みを抱いている方に、どうしても読んでいただきたい本が、「国家の品格」(藤原正彦・著/新潮新書)です。

「国家の品格」は、とても有名な本なのでご存知の方も多いかと思います。

私は金融系サラリーマンです。

この本が出版された2005年と言えば、銀行とその関連会社の統廃合が猛烈に加速した時期でした。

そんな業界再編のうねりの中、当時の私は、企業合併に関わるプロジェクトメンバーとして、毎日様々な方と顔を合せました。

プロジェクト会議に出てくるような人は、物凄く優秀で頭の回転が速い人が多く、まだ若僧だった私には正直言ってレベルの違う人達だと思いました。

当時の私は、こんな悩みを抱えていました。今にして思えば情けない悩みだと思いますが、当時は精神的に辛かった・・・

私の悩み
  1. 周りを見ると頭の良い人達ばかりで、自分の無能さに劣等感を感じる
  2. これらの時代、英語くらい話せないと駄目だ

そんな時、「国家の品格」を読みました。何かのニュースでこの本が話題になっていたので、「まあ、読んでみるか」くらいの軽い気持ちでページをめくってみました。

そうしたら、不思議なくらい気持ちが軽くなりました。

この本の論旨を簡潔に言うと、こういうことです。

「論理」よりも「感性」を大事にしよう

・もちろん「論理」も大切だが、それだけでは問題を解決できない

・感覚や感情など、「感じる」部分を育み大切にしよう

それでは、この本から得られた気付きを共有したいと思います。

論理は絶対ではない

どんな論理であれ、論理的に正しいからと言ってそれを徹底していくと、人間社会はほぼ必然的に破綻に至ります。言うまでもなく、論理は重要です。しかし、論理だけではダメなのです。

「国家の品格」第二章より

AならばB、BならばC・・・と辿っていって最終的にZという結論になった時、「ならば」の部分が論理です。Aが論理の出発で、Zが結論。

ここで重要なのは、Zという結論は磐石ではない、という事です。

論理を徹底していっても、それが本質をついているか誰にも判定できないんです

例えば、ある社長がこう言ったとします。

1. 我が社の利益が下がっている !

2. ならば、消費を喚起する必要がある !

3. ならば、全国紙に新聞広告を出そう !

一応、論理はきれいに通っています。「利益が下がっている」が出発点で、「新聞広告を出す」が結論。

ところが、実際は、これを実行した某旅行代理店は破綻しました。偉い人たちが真剣に考えて論理的に導き出した施策を実行したら、惨憺たる結果を招きました。

論理の結論なんてその程度です。論理的に導き出した結論が正しいとは限らない。そう考えると、頭のいい人は論理を駆使して凄い事を言うけど実は大した事ないと、気づくと思います。

会議の時、偉い人が偉そうに何か言ってたら「ふーん、この人はこういうふうに考えてるんだな・・・。でもそれが正しいかなんてわかんないけどね・・・。」くらいの気持ちで聞いとけばいいんです。

読書の大切さ

国際的に通用する人間になるには、まずは国語を徹底的に固めなければダメです。英語は話すための手段にすぎません。表現する手段よりも、表現の内容を整える方がずっと重要です。そして、内容を豊かにするには、きちんと国語を勉強すること、とりわけ本を読むことが不可欠なのです。


「国家の品格」第二章より

仕事によっては外国語のスキルは重要です。外国語をしゃべれるに越したことはありません。私は日本語しか話せないので、外国語を話せる人を尊敬しています。

当時の私は、「国際人=英語」という単純な思考に支配されていましたから、英語を勉強しようと思っていました。

ところが、です。この本を読んで衝撃を受けました。

英語より国語だと、はっきり書いてある。日本語の方がはるかに大切。なぜなら、私たち日本人は物事を日本語で思考するからです。

英語を操って海外に出ていく自分の姿よりも、自分の事も語れないような貧相な国語力を危惧しました。国語を固めて、自分の思考を研ぎ澄ます方が先だ、と思いました。

この時以来、たくさんの本を読むようになり、素晴らしい言葉に触れた事で自分が元気になっていくのを実感できました。

最後に・・・

「国家の品格」は、私にとって座右の書で、私の人生の方向性を変えた本です。

この本は、正義、慈愛、誠実、勇気といった道徳的な事柄を大切にしなさい、と述べています。

このような行動基準は日本人に古来から備わっているものですが、多くの日本人は忘れてしまっています。

それを思い出させてくれるという意味でも、日本人にとって必読の書といえます。さすが、ベストセラー本ですね。